「管絃」とは、管楽器と絃楽器による合奏のことで、雅楽の中でも外来音楽を起源とするものに含まれます。
外来音楽には、中国・ベトナム・インド・ペルシャなどの音楽を起源とする「唐楽(とうがく)」、朝鮮・渤海の音楽を起源とする「高麗楽(こまがく)」の2種類があります。
この内、唐楽には合奏曲である「管絃」と舞の伴奏曲である「舞楽」の両方がありますが、高麗楽には「管絃」はなく「舞楽」のみになります。
【 管絃の編成 】
一般的な管絃の編成は笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)の管楽器が各3人、琵琶(びわ)・箏(こと)の絃楽器が各2人、鉦鼓(しょうこ)・鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)の打楽器が各1人の計16人編成です。
雅楽の管絃では指揮者の代わりに、鞨鼓の奏者が曲全体の流れやテンポを統率する役割をします。そのため、経験豊富なベテラン奏者が鞨鼓を担当することが多いようです。
また管楽器と絃楽器にはそれぞれ主奏者が決められており、管楽器の主奏者を音頭(おんど)、絃楽器の主奏者を面琵琶(おもびわ)・面箏(おもごと)と呼びます。
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